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2019年6月/益田


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イタリアの小さな町を巡る旅

益田 和雄
(日本スケッチ画会会員・日本ペン彩画会理事長)

 令和がスタートした5月(9日~14日)、例年通り個展を開いた。2002年(平成14年)の初個展から、今回で18回目となった。3回目から、秋に海外旅行をして、その時のスケッチをもとに翌年5月に個展を開く”旅シリーズ”を繰り返して来た。最初はポルトガルで、イタリア、フランス、イギリス、中欧、オランダ・ベルギー等など、これ迄専らヨーロッパの旅が続いている。
 昨年は「イタリアの小さな町巡り、12の世界遺産を楽しむ」8日間のツアーに参加した。

 先ずミラノに飛び、以降バスでトリノ、パルマと回りモデナに到着したのは3日目の午後だった。 モデナは人口18万の小都市で、バルサミコ酢で名高く、有名な自動車メーカーも郊外にあると言う。街へ入ると、道路にテント張りの店舗が立並び、人出も多く賑やかだ。中世の衣装を身に纏った男女が楽隊を先頭に行進して来る。聞けば「チョコレート祭」だという。イタリアでこのお祭は各地で開かれるが、チョコレートの生産地ペルージャが最も盛大で、毎年10月に10日間も続くそうだ。締めはドウオーモ広場を取り囲む旗振りパフォーマンスだった。旅先で偶然こんなお祭に出くわし、ラッキーだった。

(スケッチ1・チョコレート祭の行進) (スケッチ2・広場のパフォーマンス)

 ボローニャを過ぎ、山頂の独立国・サンマリノ共和国は濃霧で期待を裏切られた。ラベンナ、ピエンツァ、カンポ広場の高い塔で知られるシエナから、サン・ジミニヤーノを過ぎ、旅の終わりが近ずく6日目に訪ねたのはフェラーラだ。町の中心エステンセ城は、お濠に囲まれ、跳ね橋を渡ると、城内の広場では、マーケットの屋台が並び、白に加えて黄色や緑のテントも見られた。
 丁度その日は日曜日だったせいか、中世をそのまま残していると言われる町は子供連れや乳母車を押す人の姿も見られ、楽しげな雰囲気に包まれていた。

(スケッチ3・中庭の休日バザール)    (スケッチ4・日曜日の町)

最後の目的地、ロミオとジュリエットで知られるベローナの町に入ったのは、日の沈む頃だった。
こうして、駆け足で巡った「イタリアの小さな町12」のスケッチ37点を展示して、今回の個展の
”旅シリーズ”とした。
また、これまでの”旅シリーズ”15回分は夫々音楽入りのDVDに納めてあり、会場にコーナーを設けて、興味ある方々のご注文に応えてお見せすることを私の個展の1つの目玉としている。
(今回のシリーズもDVDに作り来年の個展用に準備中。)


これら”旅シリーズ”とは別に、昨年個展以後主宰教室で描いた1年間の成果「日頃のスケッチ」36点の作品を選び、会場の残り半分の壁面に展示して、今回の個展とした。(会場・桜木町ギャラリーぴおB1)

(2019年5月末日記す)

 


2019/06/05